教えない英語教室の秘密(その2)……小学生時代 B.B.カードで遊んで育った子たちの中学レッスン内容とは「間接疑問文の場合」

前回の投稿教えない英語教室の秘密(その1)……小学生時代 B.B.カードで遊んで育った子たちの中学レッスン内容とはでは、子供英語教室を始めた当時の想いや私が大切に考えていることについて書きました。

そろそろ、小学生時代B.B.カードで遊び続けた子どもたちが中学生になってどんなことをしているのか、とある日のレッスン内容をご紹介したいと思います。

うちの教室では、縦割りクラス編成をしています。学年によってクラスを分けるということをしていないので、兄弟が同じクラスに通っていたり、低学年と高学年が一緒になることもあります。
「年齢や習熟度が違うのに同じレッスン内容なの?」と疑問に感じられるかもしれませんが、テキストもカリキュラムもないB.B.メソッドを採用している教室では、よくあることなのではないでしょうか。

とはいえ、私が実践しているのは日本の幼稚園・公立中学校・公立高校・有名私立大学・某大手英会話スクールで英語教育に携わり、英語通訳としても仕事をした経験。そして日本の教育システムとニュージランドの教育(高校〜大学卒業までの6年間単身留学)両方を体験した者としての独自の教育観に基づく英語レッスン

私はB.B.カードの認定講師でもありませんし、B.B.メソッドについて詳しく書いたり皆さんにお伝えすることができない立場なのですが、B.B.カード考案者の難波先生には何度かお会いし、東京へ出向き直接研修も受け、先生の人間性と理念に深く傾倒しています。
難波先生の書いておられるブログはこちら→

より詳しく知りたい方は、難波先生の著書をご覧ください。
勉強嫌いの子どもがときめく 魔法の英語学習法B.B.メソッド

縦割りクラス編成の話に戻りましょう。
もちろんなにも考えずにクラス分けをしているわけではなく、一人ひとりの子どもたちが個性を発揮して、それぞれのペースで学びを続けられるような配慮はします。
みんなでビンゴをしているように見えても、1枚のカード(センテンス)をやっと自力で読み上げられる子もいれば、2枚3枚(センテンス)を組み換え作文して読み上げる子もいる。ひとつの教室の中でそれぞれの生徒たちが体験していることは、その子の習熟度に応じて何層にも分かれているのです。

生徒をよく観察し、その子なりにより深く考えたり、ちょっと難しいことにチャレンジしたくなるような声かけをする。これをマニュアル化することはできませんし、画一化されたカリキュラム通りに進める授業のスタイルであれば多様な生徒のニーズを同時に満たすレッスンを実践するのは困難だと思います。

うちの教室で目指しているのは、英語力の土台となる語感や意思・思考力を育てること。
テストなどで数値化することはできず、目で見ることもできないしすぐには成果も感じられないかもしれない……地味だけど、すごく大切な「生きる力」や「問題解決能力」の育成

現在の中学生クラスにも、中2と中3の生徒が混在しています。

ちょうどこの日のレッスンでは、次の日が英語の定期テストという生徒がひとりいて、その子が「間接疑問文」がよくわからないということだったので、みんなでそこをやってみることにしました。

中学生クラスでは、難波先生監修のB.B.Grammer Bookをテキストとして使用しています。

他の子達はもうすでに定期テストが終わった後で、「別にとくにわからんとこなかった」とのことでした……ほんまかいな。

生徒A:「俺まだ中2やし、そんなんわからん」
B:「俺んとこ、まだ間接疑問文なんてやってないで」

私:「でもいつかやるやん。今やっといても損はせえへんやろ」

生徒たち:「うん、まぁな」

というわけで、例文を読み上げ、「間接疑問文」とははたしてどんなものなのか、正体を解明していきます。

生徒B:「これって疑問詞のあとに主語と動詞が来るん違うん」

生徒C:「名詞のあとに動詞じゃないですか」(参考書を引っ張り出してくる)

生徒A:「え、どういうこと。わけわからん」

私:「BとC、Aにどう説明する?」

***

生徒BとCは、どう説明したらAに伝わるのか、試行錯誤して言葉を選びながら何度も説明に挑戦。

このプロセスが実はすごく大事で、人に説明できるようになるためには自分の頭の中で情報が知識として整理されていなくてはいけないのです。
私がニュージーランドの高校2年生へ編入したとき衝撃的だったのは、学習塾も市販の参考書も一切なかったこと。
授業でわからないところがある生徒は、昼休みに図書館で別の生徒に教えてもらうということが普通に行われていました。生徒同士で教えあうことをpeer tutoringと呼び、教える方も教えてもらう側にも学習メリットがあるという研究結果が出ています。

***

例文と問題をひととおりチェックしながら、時折B.B.カードのセンテンスを引き合いに出して理解を深めます。小学校の時に何度も口にして身に染み込んだセンテンス(英文)を拠り所として、文法ルールを発見していくかんじかな。

例文を身近な内容に置き換えて、英語で質問・答える練習も。

“Do you know how old Hitomi is?”
(ヒトミが何歳か知ってる?)

“How old do you think Hitomi is?”
(ヒトミは何歳だと思う?)

もちろん、ここで大盛り上がり。
私の本名は「ひとみ」
子どもたちには「ひとみ先生」ではなく、「ひとみ」と呼んでもらっています。

生徒C: I think Hitomi is 50.
(ヒトミは50歳だと思います)

私:は〜〜〜〜〜〜???15の間違いじゃないの?
  I’m 43.

生徒たち:「え?そんな若かったんや」

ちゃんちゃん!

間接疑問文といえばこの曲。

最後にはBackstreet Boys”As long as you love me”を紹介。

生徒たち:「なんやねん、この髪型」
「すご!間接疑問文いっぱい出てくるやん」

私:「すごいやろ。この歌聞いといたら間接疑問文すぐわかるねん。
あとでライングループに曲のリンク送っとくわ」

生徒C:「でもこれ、恋愛の曲なんじゃないですか。そういうのはちょっと」

私:「え?だっていつかはみんなも恋愛するやろ?」

生徒たち:「いらんいらん、そんなんせえへんし」

***

子どもたちの声は無視して、ライングループにYoutubeリンクを送っておきました(笑)。

あー、もうこれ古いんかぁ。

私も中年か〜〜。吉田栄作のストレートヘアとか流行ったよね。

こんなかんじで、テキストを使って文法事項に取り組むこともあれば、ひたすらB.B.カードで遊ぶ(ゲームをしながらセンテンス口頭練習・組み換え作文・想像力と創造力を駆使しての応用ビンゴ・大富豪など)ことをしています。

試験問題の作り方や成績の付け方、教員の仕事内容など学校英語・学校の話をしたり、私の高校・大学・教員・通訳時代の話をしたり、「へ〜、こんな大人もいるんや」「道はひとつじゃない」「英語の世界もおもしろいな」「みんな違ってみんないい」そんなメッセージが少しでも伝われば嬉しいなと思いながら子どもたちと関わっています。

【Spice up your life with English!】
英語のある人生はオモシロイ!

米国代替医療協会認定ヘルスコーチ
IIN卒ホリスティックヘルスコーチ
英語講師
一般社団法人Mimi Pepper ECA代表

橋爪 美味(Mimi Pepper)
https://www.mimipepper.love/

橋爪美味略歴
https://www.mimipepper.love/about/

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