大雨もようやく降り止み、見上げれば澄み渡る青空と白く輝く雲。 被害に合われた多くの方々の悲しみと涙を想うと心が痛みます。その先にもいつか晴れ渡る空が広がりますように。
私にとっては「浄化」のように感じられた今回の雨。個人的にも人生の転機となるような決断を後押しされた、不思議な雨でした。
(加茂街道から望む鴨川 先週土曜日撮影)
以下、先週の木曜日に書いた文です。
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今日は朝からザーザー雨。定刻通りに電車が動いてくれるか心配しましたが、なんとか8時の出勤時間には間に合いました。そして隙間時間をみつけては、こっそりこんな記事を書いている私…!
昨日は朝4時半に起きて地下鉄始発で出勤。14時に仕事を終えて京都へ戻り(帰りのJR新快速の中で目覚ましをかけて仮眠)、16時半からの子ども英語クラスにギリギリ間に合う16時に帰宅。なんせ通勤に片道2時間かかるのでこんなスケジュールになってしまう…。夕飯後すこし仮眠をとり、22時からは大好きなマーシャルエキサイトクラスに参加するためジムへ。
連日こんなかんじでバタバタしていて、空き時間にはあれこれ自分の予定を詰め込んでしまうという哀しい性。そろそろ働き方を見直したいと考えていた矢先に、その答えがハッキリ出るような出来事がありました。
昨日は朝から前述のように馬車馬のように働き、でもそこにかつての自分が感じていた喜びはなく…以前は大阪の職場に足を運ぶことが楽しいと感じていたし、やりがいや手応えもありました。
今は収入のため、安定のためという気持ちが強く、仕事の内容に情熱を感じられないことがほとんど。もちろんそれでも時々は難易度の高い達成感のある仕事をさせてもらえる機会もあり、だからこそ今の状態を手放せずにズルズルいるのですが、そんなことがもうどうでもよくなるぐらい嬉しいことがあったのです。昨日の子ども英語クラス、2コマそれぞれのレッスンでB.B.カードの作文に挑戦し(口頭で)、それができたときの子どもたちの輝きに満ちた表情といったら!!それを間近で見ることができたことに、心から感動しました。
私の英語クラスは特殊です。例えれば昔の寺子屋のようなスタイル。クラスごとの子どもたちの年齢もまちまちの縦割り編成で、これといったテキストを順番に進むわけでもありません。4年前(もうそんなになるのかな??)モニタークラスを開講したときに通い始めてくれた子どもたちが中学生になっても通い続けてくれています。
第一期のクラスはイギリスの小学校で使われている文字と音声の関係性をひとつひとつ学ぶJolly Phonicsをメイン教材とし、そこにOxford Reading TreeやJolly Musicをプラスしていました。自宅で開講した第二期の生徒たちもJolly Phonicsメインですすめ、B.B.カードを補足的に使ってきました。
たしかにJolly Phonicsは、正しく教えれば必ず結果が出ると言われているだけあり、昨年度春より教えている学習支援センターの子どもたちにも好評。確実に読み(書き)ができるようになる素晴らしい教授法です。一通り文字が読めるようになったところを多読に結びつけるのが王道なんだろうな…と多読用教材も用意してみたものの、もともと本が好きでどんどん読みたがる子どもと、そうでない子どもたちの差が大きいと感じていました。
そんな折に東京でB.B.カードの講座があると知り、思い切って参加。2年ほど前、私が初めてB.B.カードの講座に参加したときの講師が、なんとB.B.カード考案者の難波先生御本人。そして、今回東京で受けた講座の講師をつとめてくださったのは、その娘さんでした。
B.B.カード40年の歩みを一番近くで見てこられたお二人から、開発秘話、その後の展開について直接お聞きすることが出来る幸運!!
B.B.カードの魅力と可能性のみならず、B.B.メソッドという教育観にも深く感銘を受けました。
先月中旬に講座を受け、早速その後のクラスで学んできたことを還元していますが、やはり子どもたちの反応が違います。食いつきがいいし、普段「お勉強」に興味のなさそうな子どもも、豊かな想像力を駆使して面白い文を考えたり奇想天外なアイディアを出し、イキイキとしてレッスンを楽しんでいるのです。
もちろん勝ち負けのあるゲームとなると、喧嘩したり不機嫌になる子がいたり…どう対処すればよいのか、その都度みんなで考えたり話をしたりします。その感情の動きこそが、英語の習得に不可欠なものなのだそうです。
私のクラスはオールイングリッシュではありませんし、時々「英語」とは全く関係のなさそうな奴隷制度や児童就労、毛皮・ペット産業の話をしたり、通訳の仕事を通じて経験したこと、学習支援施設で関わっている発達障害を持つ子どもたちについて話すこともあります。もちろん英語の成り立ちや、その文化的背景、中学校英語はどのようなものかについても伝えています。
「英語」の先にあるもの…「みんな違ってあたりまえ」「自分を認め他者も認める」のような価値観や物の見方を子供の頃より持つことは、その人の人生を豊かにすると思うからです。
少し話がずれましたが、B.B.メソッドでは、無理やりクラス全員に同じ作業を押し付けることもありません。その子のペースやそのときの気分を大切に、長い目で「英語」「自学(自分で学ぶ)の力」を育むアプローチ。
これは、私が4年前に自分の英語クラスを始めた当初から持ち続けている想いにも共通するものです。
毎回クラフトや目に見える形での成果物を持ち帰るわけでもないので、親御さんは「今日なにしてきたの?どんなこと勉強してきたの?」と不安になられることもあるかもしれません。子どもの答えはきっと「え?遊んできた。またビンゴした」かな(笑)。
定期的なニュースレターなどの発行もなし。送り迎えをしてくださっている親御さんには口頭でレッスンの様子などお伝えしますが、そうでない親御さんとは申込みしてくださって以来、学校行事(私の子どもたちが通う小学校区の子どもたちが多く通ってくれているので)でお話をするか、私のブログを通しての発信しかしていないのが現状です。
よくもこんな状態で、何年も私を信頼して子どもさんを任せてくださっているなと思うのですが…本当にありがたいことです。
この4年間、USJでの通訳の仕事を生活の中心にすえてきました。早朝、深夜、不規則な勤務時間。しんどい仕事も自分の糧になりそうなものは積極的に受け、入社したときには絶対自分にはできないだろうと怖気づいていたような仕事も、今ではできるようになりました。
おかげさまで、イベント通訳やセミナー通訳、翻訳などUSJ以外からの案件のご依頼もいただき、「通訳」として更に精進していきたいとの気持ちも強く持っています。
これからは、ただがむしゃらに働くのではなく、その内容を精査し、自分が心からしたいと思う・喜びを感じる仕事だけをしていこうと決めました。秋には新しい働き方の形にシフトしていけるように、この夏にはいろいろなことを整理します。具体的には、通訳としての仕事量を調整し、ご要望の多い 子ども・大人B.B.カードのクラスをきちんと作ろうと思います。 (※7月24日(火)10:30〜B.B.カード体験会開催。詳細は別記事に書きます。)
優柔不断だった私に、有無を言わせぬほどビシッと心を決めさせてくれたのは、子どもたちでした。英語クラスに通う子どもたち、愛する三人の息子たち。この子達の笑顔を見るのが好きだから、私は自分の心に従うことを選びます。
気付かせてくれてありがとう。 私には、自分の心に嘘をつく生き方は合わないようです。
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追記
この記事を書いたのが木曜日。そしてその日の夜、なにかに背中を押されるようにして退職の意志を会社に伝えました。
降りしきる雨の音にまじって携帯電話からの避難勧告アラームが何度も鳴り響く中、それまで迷い続けてきたことが嘘のように、すっと心が決まったのでした。
(2018年3月、ハワイ島にて)